テトスへの手紙1章

 『それは健全な教えをもって励ましたり、反対する人たちを正したりすることができるためです。』(テトス1章9節)
テモテと同じく、『信仰による真実のわが子テトスへ』と呼びかけながら、パウロがテトスに大切な手紙を記しています。『私があなたをクレテに残したのは、あなたが残っている仕事の整理をし、また、私が指図したように、町ごとに長老たちを任命するため』とテトスに託された使命を再度確認しながら、長老や監督といった指導的立場に立つべき人々の資質が述べられています。長老に対しては『その人が、非難されるところがなく、ひとりの妻の夫であり、その子どもは不品行を責められたり、反抗的であったりしない信者であることが条件』(6節)とされ、監督に対しては『神の家の管理者として、非難されるところのない者…わがままでなく、短気でなく、酒飲みでなく、けんか好きでなく、不正な利を求めず、かえって、旅人をよくもてなし、善を愛し、慎み深く、正しく、敬虔で、自制心があり、教えにかなった信頼すべきみことばを、しっかりと守っていなければ』ならないという条件が提示されています。どちらに対しても極めて実践的、現実的な条件が示されている点に深い興味を覚えます。『それは健全な教えをもって励ましたり、反対する人たちを正したりすることができるため』とその理由がはっきりと記されています。理想を語ることによってではなく、実践してみてはじめて健全な教えの本質が自分のものになります。実践して体得してこそ、健全な教えをもって他の人を励ましたり、反対する人たちを正したりすることができるようになるのですね。今日のデボーションは詩篇57篇とテトスへの手紙1章です。祝福をお祈り致しております!(2012.11.15. #2051)